登山やアウトドアで着るウェアの素材選びは、安全や快適さとパフォーマンスを左右します。
そこで、注目されているのが『メリノウール』という天然繊維です。
今回は、このメリノウールについて、理解を深めましょう。
メリノウールとは?
メリノ種という羊から採れる、高品質の羊毛です。
一般的な羊のウールと比べて、メリノ種ウールは非常に細く柔かな繊維です。
なので、チクチクしにくくて肌触りが滑らかに仕上がっています。
メリノウールの特性
温度調節機能
ウールは、冬に温かさを求めて着るものというイメージがあると思います。
もちろん、メリノウールは保温性に優れているので、冬場に多く出回っていますね。
でも、温度調節機能に優れているという、特性がメリノウールにはあるのです。
それは、繊維構造が関係しています。
ウール繊維は、2層構造になっていますが、この2つの層は違う性質を持っています。
その違いから、収縮差が生まれスプリングのように縮みます。
この時に出来た隙間があることで、屋外の環境温度変化に対応できるのです。
つまり、こういうことです。
寒い時には隙間に空気を含んで保温し、暑い時には空気を逃がして通気を良くする。
これによって、1年中快適に過ごせるという訳なのです。
吸湿性
高い吸湿性を持ち、汗をかいてもベタつかず快適な着心地を保ちます。
抗菌・防臭
自然な抗菌性があり、長時間の着用でも臭いがつきにくいという特性が魅力的です。
たとえ、小屋泊やテント泊の時に着替えなくても、汗臭さに悩まされずに過ごせます。
柔らかさと快適さ
チクチクしにくいのが特徴なので、肌に直接触れるベースレイヤーとして最適です。
メリノウールのお手入れ方法
ポリエステル素材の物より、少し価格の高いメリノウール。
長く愛用するためには、正しいお手入れが重要です。
ここでは、洗濯前の準備から干し方まで、ステップごとに解説します。
洗濯前の準備
洗濯表示を確認する
製品タグに記載されている、洗濯表示を必ず確認し、指示通りの適切な方法を確かめます。
洗濯ネットを使用
繊細な繊維を守るために、洗濯ネットを使用します。
摩擦のよるダメージを防ぐために、裏返してから洗濯ネットに入れましょう。
洗濯する際のポイント
低温で洗う
メリノウールは熱に弱いため、冷水か30℃以下のぬるま湯を使って洗うことが推奨されています。
専用洗剤を使う
登山ウェアは、特別な機能を持っているので、専用洗剤を使いましょう。
洗剤に関しては、『登山ウェアの正しいお手入れ・・・』の記事で解説しています。
手洗いor洗濯機
繊維を傷めないために、洗濯表示の指示に従ってください。
登山ウェアは全般的に、手洗いした方が安心ですが、洗濯機で洗えるという表示があった場合は
ウールコース・おしゃれ着洗いコース・やさしく洗う、などのコースを選びましょう。
干し方
色褪せや縮を防ぎ、吸汗速乾機能などを保つために、登山ウェアは全体的に陰干しが良いです。
特にメリノウールは、繊細な素材なので風通しが良い日陰に干しましょう。
また、型崩れを防ぐためには、ハンガーでは無く平干しにするのが理想です。
まとめ
メリノウールは、その優れた特性から登山やアウトドア活動にピッタリの素材です。
しかし、デリケートな繊維であるため、適切なお手入れが求められます。
今回ご紹介した、洗濯前の準備・洗濯のポイント・そして干し方を実践することで、製品を長持ち
させ快適な着心地を保つことが出来ます。