登山に欠かせないレインウェア。
レインウェアは、雨や風から身を守る大切なアイテムです。
使った後のケアが、疎かになっていることはありませんか?
レインウェアの性能を長持ちさせるためには、正しい洗い方や乾かし方が重要です。
今回は、レインウェアの洗濯方法について詳しく解説します。
手順やポイントを守って、常に良い状態が保てるようにしましょう。
レインウェアは洗った方が良いの?!
答えはYES! 使ったら洗いましょう。
山頂で休憩中に少しの間着ただけ、などの時は毎回洗わなくても良いと思います。
でも、汗をビッショリかいた体で着たり、風で土ぼこりが上がっていた。
そんな場合は、しっかり洗いましょう。
洗った方が良い理由
汗・皮脂・ホコリ等が付着することで、表面に加工してある機能が劣化します。
撥水性や透湿性が低下したり、防水素材が早期に劣化するのです。
その理湯は、透湿性能の為に糸と糸の間には隙間が開いています。
汚れによってその隙間が埋まると、透湿性能が発揮できなくなるのです。
その結果、『蒸れる』ようになってしまうという訳です。
さらに、使ったままにしておくと、雑菌が繁殖して臭いやカビの原因にもなってしまいます。
レインウェアって自分で洗えるの?
答えはYES! 洗えます。
ただし、製品によって専門のクリーニングが必要なこともあります。
購入する時に店員さんに確認したり、購入後には必ず洗濯表示を確認しましょう。
また確認するのは、『洗える・洗えない』だけではありません。
洗う水の温度や手洗いなのか洗濯機が使えるのか等も、しっかり確認してくださいね。
正しい方法で洗わなければ、生地を傷めてしまったり、性能が低下することもあるからです。
レインウェアの洗い方
準備
1,まずは洗濯表示を確認してください。
洗濯不可なのか、手洗いなのか、洗濯機が使えるのか。
2,ポケットの中を確認する
すべての物を取り出して、ポケットの中は空にしてください。
3,全て閉じる
ベルクロやファスナーは、全て閉じておきましょう。
ここで注意して欲しいのは、ベルクロがしっかり止められているか、です。
ピッタリ合わさって無いと、出てる部分にホコリが埋まってしまいます。
また、生地に擦れて傷めてしまう場合もあるからです。
4,軽くたたんで大きめの洗濯ネットに入れる
あまり小さく畳んでしまうと、洗剤や水が行き届かず綺麗に洗濯できないからです。
洗濯
洗剤
洗剤は、専用の物を使ってください。
一般洗剤には、香料・抗菌剤・漂白剤・柔軟剤・蛍光増泊剤が含まれている場合があります。
これらは、生地の表面に留まることで効果を発揮するものなので、撥水性を阻害します。
さらに、無添加製品であっても粉洗剤は使わないでください。
先に水で溶かしてから使ったとしても、解けきれない粒子が残っていることが多いです。
すると、生地の隙間や生地表面に付着して、取れなくなってしまうからです。
おすすめの洗剤は、下のものです。
洗い方
洗濯機で洗えるものでも、普通の洗い方では生地や加工を傷めてしまいます。
なので、洗濯モードを『おしゃれ着』や『デリケート』や『やさしく』等に設定しましょう。
手洗いの場合は、40℃くらいのお湯を使うと、脂汚れが良く落ちます。
揉まずに押し洗いをしてください。
すすぎ
すすぎ回数は、洗剤の容器に書かれている、使用方法に従ってください。
多くは2回すすぐとなっていると思います。
手洗いの場合は、水を何度か取り換えながら、洗剤がしっかり落ちるまですすいでください。
脱水
1番気を付けて頂きたいのが、脱水です。
防水加工がされたものは、水をとおしません。
水を通さない物を洗濯機で脱水すると、うまく回転できずに洗濯機が壊れてしまうことがあります。
洗濯機が壊れるだけでなく、ウェアの生地も傷めてしまうので、脱水機能は使わないでください。
また水分を除くためにと、絞ることも行わないでください。
なぜなら、生地や施されている加工を傷めてしまうからです。
水分の取り方
浴槽の淵などに掛けて、しばらく水が抜けるのを待ちます。
おおまかに水が抜けたら、軽く振るようにして水分を飛ばします。
または、タオルで水分をふき取っても良いですね。
乾かす時はどうするの?
自然乾燥
自然乾燥させる場合は、ハンガーに掛けて風通しの良い場所で、日陰干しにしてください。
また、ピンチの付いた物干しだったら、逆さにしてピンチで留めます。
ウエアの裾を広げてピンチに止めると、風が良く通るしフード部分も乾きやすいです。
なるべく早く乾かすのがコツです。
その理由は、濡れた状態が長く続くと、臭いが発生する場合があるからです。
天気が悪い時などは、水分が垂れなくなるまで外に干してから、室内干しにするのが良いですね
室内では、除湿器をつけたり扇風機を回すなどすると、早く乾かすことが出来ます。
アイロンをかける
撥水加工は、熱を加えることで復活します。
自然乾燥の場合は、乾いてから当て布をし、低温のアイロンを当てると撥水効果が復活します
必ず低温に設定してくださいね。
その理由は、生地自体や表面加工が溶けてしまうからです。
またドライヤーで熱を加える方法もありますが、絶対に近寄り過ぎないようにしてくださいね
乾燥機
乾燥機を使う場合は、水分を出来るだけ落としてから乾燥機に入れてください。
水浸しの物を乾燥機に入れるのは、洗濯機と同様に壊れてしまう可能性があるからです。
また温度が設定できる場合は、低温(60度)にして40~50分ほど乾燥してください。
乾燥温度は70度以上にならないように、十分気を付けてください。
高温になってしまうと、生地を傷めたり加工が劣化してしまうからです。
温度設定が出来ないタイプのものは、途中で一時停止して中の熱気を逃がすと良いでしょう。
レインウェアの保管方法は?
湿気の少ない部屋で、ハンガーに掛けて保管しましょう。
畳んで置いておくと、降り曲がった所の生地や加工が傷んでしまうからです。
登山に持って行って使わなかった時も、帰って来たら1番にレインウェアをハンガーに掛けるよう
習慣つけましょう。
ズボンも、ウエスト部分をピンチに止めて、伸ばした状態での保管が良いですね。
撥水効果が弱くなったら?
自宅で撥水加工
使うたびにキチンとお手入れしていても、撥水効果は少しずつ劣化してきます。
それと同時に、透湿機能も劣化します。
レインウェアは、とても高価なものなので出来るだけ長く使いたいですよね。
もし透湿性能は落ちて無くて、撥水効果だけが落ちてしまった場合には、専用の加工剤を使う
と撥水効果が復活します。
撥水加工剤を使っても、撥水スプレーを使っても、購入した時のような撥水効果が復活しない
場合は、残念ですが買い替えの時期だと思ってください。
洗剤の買い方
ちなみに、洗剤類は重さがあるので、送料が掛かってしまうことが多いです。
『〇〇円以上で送料無料』と設定されているショップもあります。
なので、まとめ買いをしておくことをおすすめします。
例えば、ファイントラックは¥3980以上なら送料が無料になります。
なので私は、洗濯洗剤・撥水加工剤・吸汗性を復活させるベースリカバーをまとめて買います。
撥水加工やベースリカバーは、使う頻度が少ないので、洗濯洗剤を3本買う時もあります。
洗剤は、レインウェアやアウター専用ではありません。
吸汗速乾効果があるTシャツや下着・タイツ・パンツ・靴下・帽子なども洗えます。
だから、登山に行く度に使うため、何本あっても困らないですよ。
まとめ
レインウェアは、洗う必要があるし自宅で洗えます。
逆に、洗わないと防水性も透湿性も劣化してしまいます。
ただ、加工がされているウェアなので、使う洗剤や洗濯方法、乾燥の仕方には注意が必要です。
ウェアに付いている、洗濯表示や説明書きに従ってください。
また洗剤の表示もしっかり読んで、書かれている通りに使ってくださいね。
『命を守るウェア』と言われ『登山三種の神器』にも入っているレインウェアです。
そして高価な製品なので、少しでも長く良い状態を保ちたいですからね。
着用した時の快適保つためには、正しいお手入れが必要なのです。