必要な物を、全て自分で持って歩かなければならないのが登山です。
なのでザックは、登山において非常に重要な装備品です。(三種の神器にも入っています)
適切なザックの選択は、快適な登山と安全性を確保するためにも欠かせません。
今回はザックに注目して、必要性・どんなザックがあるのか・どの位の容量が必要かなどの選び方
を私のザックを使って解説します。
おすすめのご紹介もするので、ぜひ最後までお読みくださいね。
ザック・バックパック・リュック??
色々な呼び方がある
ザック バックパック リュック と色々な呼び名がありますが、全て同じ意味で背中に
担ぐ荷物袋ということなのです。
バックパックは英語、リュックサックはドイツ語です。
ザックとは、ドイツ語のリュックサックを略して日本だけで使われている言葉です。
私は何となく、バックパックは大型の物で、ザックは中型でリュックサックは小型ってイメー
ジがあったのですが、皆さんはどう考えていたでしょうか? (^^)
ザックは登山の必需品
ザックには、登山に必要な装備や食料、水などを収納
登山は、自分で全ての荷物を背負って歩かなければなりません。
食べ物、飲み物、レイヤリングに必要な衣服、レインウェア、ファーストエイドキット
ティッシュ、レジャーシート、折り畳み椅子、携帯トイレ、ストック 等々です。
山の中には自販機が無ければお店もありません。
山小屋があれば、飲み物やカップめん、お菓子などは買えますが多くの物は置いて無いし山小
屋自体が、どこにでも有るというものではありません。
またザック選びは、登山の安全性や快適性に大きく影響するため、各部分をしっかりチェック
していきましょう。
ザックの選び方
容量
ザックの容量は、登山の目的や日数に合わせて選びましょう。
日帰り登山なら20~30L 1泊2日登山なら30~50L 2泊3日以上の登山なら50L以上が目安
目安ですけど、これは小屋泊を想定した容量です。
テント泊でテントを自分のザックに入れる場合は、1泊2日でも50リットル以上の容量が必要
が必要になってきます。
また冬は、アウトレイヤーが嵩張るので、その分を考えなければなりません。
ザックにもサイズがある
サイズは背中の長さのこと
自分の背中の長さ=背面長を計る手順をお伝えします。
①用意する物はメジャーと、もし誰かが居たら手伝ってもらうと楽です。
②おへその位置を確認し、そこから真横へ手を移動させると腰骨の上端に当たります。
③両手を腰骨に置いて、そこから背中の真ん中へ真っ直ぐ指を移動させます。
(この時に誰かいたら見てもらうと、より正確な位置が分かります)
④背中の中心に指を1本置いたまま、開いた手でメジャー持ち首の下にあるグリグリした骨
(真下を向いた時に出っ張る骨)の位置から、背中に置いた指までの長さを計ります。
1人で計る時は、数字の始まりを確認して持ち、首の骨に当てて残りを下に垂らします
背中に置いた指で、垂れて来たメジャーを押さえると、長さが計れます。
この背面長が自分に合っている物を選ぶ必要があるのです。
その理由は、腰ベルトを締める位置が腰骨の上部に掛かっている事が大事だからです。
背面長の調節
中には、背面長を自分で自在に調節できる物もあります。
下の画像は、私の使っているザックの背面です。
色々なタイプがありますが私の物は面ファスナーのタイプなので、いつでもどこでもミリ単位で
簡単に調節が出来ます。
手前の△の所を持って、後ろの黒い部分からバリバリって剥がして、中に入れたり引っ張り出した
りすることで、肩から腰までの長さ(背面長)の調節が出来るようになっています。
この背面長の調節が必要な理由は、ウエストベルトの位置をしっかり腰骨に合わせるためです。
ウエストベルトは、腰骨の出っ張っている所にピッタリ当たるように絞めます。
これは、ザックの重さを腰骨で支えて、肩への負担を減らすためです。
「ザックは腰で背負う」とも言うくらいで、腰骨に乗せる事でザックの重さを腰が支える事になっ
て肩がとても楽になるのです。
日帰りで荷物が少ない時は、あまり有難みが判りませんけど、テント泊などの重さではとても肩だ
けで背負うのは無理です。
このウエストベルトを正確に絞めることで、ショルダーが軽く浮くような感じなるんですよ。
肩に感じる重さが、半分くらいになると言っても過言ではありません。
女性用 男性用 がある
女性用と男性用の違いは、ショルダーのカーブにあります。
女性は胸があるので、ショルダーが胸に当たらないようなカーブになっているのです。
これは、montbellでザックを購入した時に教えて頂いた事なので、他社の物がどうかは不明です。
私は身長が165cmあって肩幅も45㎝近くあるガタイなので、女性用で背面長の調節が出来な
いタイプだと全く合わないように感じます。
初めて買った30ℓのザックは女性用を購入しましたが、腰ベルトが腰骨の上では無くてウエスト
の方にあったので、テント泊装備のザックの重さを支える事が出来ず、肩への負担がもの凄くて
下山する頃には、ショルダーベルトと肩の間に手を入れたり、ショルダーベルトを肩からずらした
りするほどの痛みを感じて、とても辛かったのをハッキリ覚えています。
ウエストベルトが、腰骨に当たっているかいなかで、これだけ大きな差が有るということです。
ザック各部の機能を確かめる
ザックには、色々なポケットやストラップなど部品が付いている
ポケットの色々
雨蓋(トップポケット)・・・ザックの1番上に乗っかってあるもの
フロントポケット・・・ザックの外側に付いてる大きなもの
サイドポケット・・・ザック側面に付いていてペットボトルなどを入れる事が出来る小さいもの
ウエストベルトポケット・・・ウエストベルトに付いていてザックを背負ったまま使えるもの
リザーバーポケット・・・ザックの内部に付いていて吸水のハイドレーションシステムのタンク
を収納しておくためのもの
ポケットは色々付いていた方が便利だと、私は思っています。
その理由は、行動中にザックを下さなくても、食べ物や飲み物や薬などをサッと取り出すことが
出来るからです。
また、背面に大きなポケットやゴムコードがジグザグに付いている物は、脱ぎ着が激しい登山に
はサッと出し入れが出来て、とっても便利です。
ザックの中は、仕切りが無くて大きな袋状になっています。
だから、荷物の入れ方を考えて工夫しないと、欲しい物を取るときに中身をドンドン出さないと
取れない~~って事になります。
休憩中なら良いのですが、それ以外の時は止まってザックを下して、とやっていると歩くペース
が崩れてしまって、必要以上に疲れてしまうのです。
脱ぎ着でザックを下したとしても、背面のポケットから取ったり入れたりするだけなら数秒で終
わって直ぐに歩き出せますからね
ウエストベルト
ウエストベルトはザックの重さを腰で受け止める為だと書きましたが、それだけでは無いのです。
普段からリュックを使っている方は判ると思いますが、早歩きしたり走った時に背中で左右に動き
ますよね。
普段の軽い荷物なら何も問題は無いのですが、登山の大きくて重いザックが背中で動くと身体が振
られてバランスを崩してしまうし、それほど重く無いザックだったとしても、動く物を背負って歩
き続けると言うのは、かなり疲れます。
ウエストベルトには、この横揺れを防ぐという役目もあるのです。
だからベルトだけという物も多くあるのですが、ウエストベルトにポケットが付いていると小さな
お菓子や飴などを入れておけるし、ゴンドラなどに乗る時はチケットも入れておけます。
私はココに、足が攣った時に直ぐに飲めるように、漢方薬の68番も入れていますよ。
良く足が攣る私は、色々な薬を試して来ましたが、この68番⇑が1番効くように感じます。
サッと取り出せるポケットが有ると言うのは、本当に便利だと思います。
サイドポケットは
飲み物やストックを入れる事が多いです。
ハイドレーションと言って、タンクにチューブを繋いでザックからチューブを出して水を飲むとい
ものを使っている人多いです。
そういった方は、サイドポケットに行動食を入れている方も見かけます。
マイボトルに、ナッツやチョコレートや柿の種などを入れて持ち歩く方は、サイドポケットを使っ
ているのを良く見かけます。
ショルダーハーネス
ショルダーハーネスとは、肩に掛ける部分のことです。
ゴムやベルトが何ヵ所か付いている物が多くあり、ここにホルダーをくっつけてペットボトルを
入れたりスマホを入れたり、小さなカメラを入れている方が多いです。
肩についていたら揺れないし、取り易くて便利だと思います。
私も試した事がありますが、岩場を登ったり下りたり、急な坂を下る時に木や枝を持ったりする時
何だか邪魔だなぁって感じてしまいました。
多くの人が使っているのだから、慣れてしまえば何とも無いのかも知れませんが、私は嫌だと感じ
たので使っていません。^^;
雨蓋は便利
下の画像の漢字は間違いで『雨蓋』が正しいです。(汗)
元々は、ザックの中を濡らさない為に付けられたようで、雨の蓋と書いて読み方は「あまぶた」
デザインにもよりますが、これはザックに付いているポケットで1番大きな物です。
でも、雨蓋=ポケットではありません。
ザック本体の入り口を塞ぐように、布が付けられただけの物も多くあります。
これも、雨から荷物を守る役割があるので、雨蓋です。
私の使っているザックの雨蓋は、とても大きくてウインドブレーカーやレインウェアだって
入りますよ。
私はここに、お昼ご飯や行動食も一緒に入れています。
だから休憩の時にも、ザックの本体を開ける事無く色々な物が取り出せると言う訳です。
ボトムコンパートメント
最近は付いている物が多いようですが、無い物もあります。
特に容量が30ℓ以下の物には、無い事が多いです。
ザックは1つの大きな袋になっていますが、中からファスナーを閉めて下の部分を仕切って2つ
に分けたり、元々別の部屋として底部分に付けられている物もあります。
私のザックは、中とは繋がって無い別物のタイプです。
開けるとザックカバーが収納されていますが、ザックカバーは押さえれば小さくなるので、折り
畳み傘を入れたり、濡れたタオルやアイゼンを入れる事も出来ます。
ザックの底部分にザックカバーが収納されていると、ザックにザックカバーを直ぐに装着できて
とても良いと思います。
ザックは撥水加工されていますが、色々な所に置いたり木や岩に擦れたりするので、加工は意外
と早く効果を無くすように感じます。
購入して直ぐの時は、少し位の雨なら弾いてくれたからカバーを着けなくても良かったのに経年
劣化すると水が染み込んでしまうし、強い雨の時は撥水だけでは守れないのでザックカバーは必
要なので、ザックに着いて無い方はカバーだけ販売しているので購入しておきましょう。
パッキングのしかた
ザックに荷物を積める事をパッキングと言います。
快適で安全に歩く為には、パッキングの仕方も重要になってきます。
それは、歩いている時にザックは身体の1部となるからです。
ザックを背負う事で、体の中心=重心は背中側へと移動します。
重心が背中側に移動したら後ろに引っ張られる感じになってしまいます。
なのでパッキングの仕方によって、なるべく体に近い所に重心が来るようにする必要が有るとい
う訳なのです。
良いパッキングのしかた
背面側に重い物を、 外側には軽い物を、 上に重い物を、下は軽い物を。
これが、安全で荷物の重さを軽く感じさせるパッキングの仕方です。
テント泊の時は、日帰りと荷物の内容が違うので、いつでもどこへ行くのにも必ずこうすると
言う訳では無いのですが、基本的には同じです。
重心を考える
これは、重心がどこに来るかを考えたパッキング方法で、力学的な考え方だそうです。
重い荷物が体から離れる程、支える力がより多く必要になるからです。
また外側が重いと、重心が体から離れてしまうので、後ろに引っ張られる感覚が生まれます。
急な坂を登っている時など、ちょっと体を反らしただけで後ろからグイッと引っ張られるよう
な感じになって、よろけてしまいます。(実体験あります。怖いですよぉ)
疲れるだけでなく危険を伴う事もあるので、重い物は背中側を覚えておいてくださいね。
そして上に重い物を入れる理由は、実際の重量より軽く感じると言うのも重心の影響です。
重心は肩から離れるほど重く感じて、肩に近い程軽く感じます。
良く高校生が、ザックを腰の方に下げて背負っていますが、あれは中身の重さが全て肩に掛か
って来て、そうとう重く感じていると思いますよ。^^
こういう理由で、天蓋に入れた方が重さを感じにくいと言うことなのです。
取り出しやすさを考える
重心ばかりに気を取られて、直ぐに出したい物を下の方に入れてしまったら、他の物を全部
出さないと、欲しい物が取れないという事になってしまいますね。
なので、しっかり使う頻度や順番を考えた上で重心も考えるというようにしてくださいね。
ザックの色やデザイン
自分の好みに合った物を選びましょう
YAMA HACK が山の中では何色が目立つか というテストをしました。
視認性が高い色はどれ?という話しなので、お時間がありましたら読んで頂きたいと思います
けど、視認性ばかりを考えてしまって自分の好みでは無かったら、登山そのものが楽しめなく
なってしまうと思うので、色やデザインは自分の好みで選んで良いと思います。
ザックは、どこへでも置いて汚れやすいから汚れが目立たない色が良い。
このポケットが気に入ったから、これにしょう。
背中のクッション性がとても良いから、これが良いなぁ。
こんな感じで、ザックの機能を見ながら好みに合う物を選べば良いかと思います。
おすすめのザック
コロンビア 27ℓ
人気があるコロンビアのザックです。
27ℓという、日帰りから小屋泊に適した小さめのザックですが
ショルダースタビライザー(肩の所に付いているベルト)があるのは
このサイズでは珍しいと思います。
このベルトがある事で、ザックを背中に引き寄せることが出来て
重心が中心に寄るので、ザックの重さを感じにくくなり
歩き易くもあります。
また天蓋が無い代わりに、ファスナーポケットが3つ付いているので
小分けし易く取り出しやすくて、ポケット好きの私には好みのタイプです。^^
ミレーサーズフェーMISO756
大型ザックが多いミレーの中で、30ℓ+5という手頃サイズのザックです。
この大きさなら、道具やパッキングに慣れたらテント泊も出来る大きさ。
小屋泊なら縦走登山も楽しめますよ。
容量は小さくても、ミレーなので隅々の機能に優れています。
ドリンクフォルダー以外のポケットは、無い方がスッキリしてて好き!!
と言う方には、こちらをゴリ推しします。^^
outdoor INOXTO
25ℓという日帰り登山に適したサイズです。
価格がすごく安くて、大丈夫??って
思ってしまったのですが、ショップで見たら
この価格でこの機能!? という物だったので
全く初めてザックを買う方や、日帰り登山用に買い増したい
そんな方に、特におすすめです。
背面からショルダーベルト・ウエストベルトまで
全てに空気が通るクッションとメッシュ生地が使われているので
背中・肩・ウエスト周り、全てが蒸れなく快適に歩き続けられます。
まとめ
ザックの選び方・機能・使い方・パッキング などについて解説しましたが、いかがだったで
しょうか?
何かご質問が有る方は、下のコメント欄からお聞かせくださいね。
出来る限り、調べて回答させて頂きますので。
ザックは、テント泊縦走用・小屋泊縦走用・日帰り登山用・日帰り縦走用と言う感じで
容量を考えて選びます。
またメーカーに寄っては、メンズ用・ウィメンズ用と分かれている物もあります。
私はザックに色々くっつけるのは好きでは無いので、最初からポケットの多い物を選んで
います。(ティッシュケースやボトルケースは付けているけど^^;)
ポケットが有る事で、ザックの大きな口を開けなくても色々な物が出し入れできるからです。
でも主人は、いちいちザックを下して中から物を出す事を、面倒だと感じないタイプでポケット
が色々付いているのは嫌だと言っています。
それには訳があって、主人も私もですが破線ルートを良く歩きます。
破線ルートは整備されて無いので、枝が出っ張ってたり藪漕ぎだったりと荒れているのです。
主人は、そういう中を歩いた時に、ポケット類が付いていると引っかかる事もあって危険だとい
う考えかたを持っているからです。
なので、ザック選びは完全に好みや考え方の問題になりますね。(^^;)
ただし、押さえるべきは安全性と疲れにくい背負い心地の良さです。
これだけは、必ずチェックしてくださいね。