登山用アイゼン3種類の特徴や使い方を徹底解説!

アイゼン
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寒い季節に登山をする時、安全かつ効果的に移動するためには。適切な装備が欠かせません。

その中でもアイゼンは、雪や氷の上での歩行をサポートする重要な道具です。

今回は、登山用アイゼンの種類であるチェーンスパイク・軽アイゼン・前爪付きのアイゼンに

ついて詳しく解説します。

タイプ別のおすすめアイゼンもご紹介しているので、ぜひ最後までごらんください。

 

冬山登山に必要な装備、アイゼン

アイゼンとは

 凍った登山道や雪の上を安全に歩く為の装備です。

 金属製の刃が付いていて、それが氷や雪面に食い込むことで滑り難くなり、安全に歩くことが

 出来るというものです。

アイゼンの種類は、大きく分けて3つ

前爪があるもの。   軽アイゼン。   チェーンスパイク(チェーンアイゼン)

私は、この3種類を持っているので、それぞれご紹介します。

前爪が有るタイプ

前爪がある10本爪のアイゼン
裏側に付いたステーで長さ調節

上の赤い物は、前爪のある10本爪アイゼンです。

一般的には12本爪アイゼンを使っていますが、足が小さい人や筋力の弱い女性や年齢の方には

12本爪より少し軽い10本爪アイゼンをおすすめします。

軽アイゼン

 前爪が無くて足の裏にだけ爪が有る物です。

 一般的なのは下の画像の6本爪ですが、4本爪や2本爪もあります。

      軽アイゼン6本爪
     ネジで靴の幅に合わせる

チェーンスパイク

鎖に爪が付いていて靴に当てる部分はゴムで、履くようにして下から靴に被せます。

製品によって爪の数は様々ですが、多く出ているのは19本爪のようです。

ガチガチに凍っている所では歯が立たないのですが、少ない雪や軽く凍っている場所で使えます

軽量でコンパクトなので、寒くなったら『安全の為にザックに入れて置く』という感じです。

     チェーンスパイク
  他のアイゼンと比べると小さい爪が多く付いている

装着すると、こんな感じです。

アイゼンの特徴

前爪が有るタイプ

10本爪と12本爪があります。

踵部分の形状によっては、雪山用の登山靴が必要な場合もありますが、私の持っているトップ画像

の物はどの登山靴でも使えるタイプです。

本格的に深く雪が積もった山や雪の急斜面を登る時に、前の爪を斜面に蹴りこんで食い込ませ足を

安定させることが出来ます。

なので高山で岩稜帯を歩く場合は、凍り付いている事がほとんどなので、12本爪の方が安全です

靴底部分にそういう場所に適している、専用に工夫された爪が付いているからです。

でも、足が小さい方・筋力が弱い方・高山の岩稜帯へ行かない方は、少し軽量な10本爪でも十分

に役立ってくれますよ。

私は5月の残雪期である燕岳へ行った時、日本三大急登と言われる合戦尾根を登る時に初めてこの

10本爪アイゼンを使いましたが、問題なく安全に歩く事が出来ました。

ただ前爪が付いていることで、他のアイゼンよりも注意して歩く必要があります。

それは、足を上げたり下ろす時にもう片方のズボンの裾に引っかけて破れてしまったり、岩稜帯で

は岩に引っ掛けて転んでしまったり、着地する時にもう片方の前爪に引っ掛けてしまう、という事

があるからです。

前爪のあるアイゼンを使う予定がある方は、雪が無い山へ行った時に装着して歩く練習をした方が

良いと思います。

歩く時には、意識的に左右の足の間隔を開けてガリ股に歩きます。

男性は、こういう歩き方が直ぐ出来るかも知れませんが、女性は中々難しいと思うのでしっかり練

習してください。

上にも書きましたが、練習するのは雪の無い登山やお庭が有る方は土の場所が良いです。

それは、舗装された道路などでガチャガチャ歩いていると、爪の先の尖りが減ってしまうからです

尖りが減ったら当然、食い込みが悪くなりますよね。

長く使っているアイゼンの刃は『研ぐ』という手入れをするくらいですから、練習は固く無い所で

行なってください。

軽アイゼン

前爪が無くて、6本爪 4本爪 2本爪 と種類があります。

2本爪

土踏まずの所にだけ爪があるもので、高下駄を履いたのと同じ状態になってとても歩き難いです。

雪や凍った所は無いと思うけど、一応持って行くか・・・と言う程度の物だと考えてください。

役に立つとは言えないように私は思うので、普段使いとしてはおすすめしません。

4本爪

土踏まずの所だけに爪があるものでが、2本爪よりは安定してはいるものの、これも中途半端な

感じで用途は狭いと考えます。

念のために常にザックに入れて置く、と言う使い方には2本爪より良いと思います。

6本爪

軽アイゼンの中で1番ポピュラーなタイプで、とても安心感が得られるアイゼンです。

高山などの急な斜面や、何mも雪が積もった所で無ければ十分に活躍してくれます。

ガチガチに凍った斜面でも、フラットフッティングで歩ける場所なら大丈夫です。

6本の爪を効率良く使うためには、フラットフィッティングと言う登山の歩き方がとても大事です

フラットフッティングと言うのは、『山の歩き』の記事でご紹介しているので読んで頂ければと

思いますが、足の裏の全面を地面に着ける歩き方です。

靴底に装着したアイゼンは、凍った道に爪を突き刺して滑らないように歩く道具なので、この歩き

方をする必要があると言う訳なのです。

6本の爪全部を突き刺すことで、しっかり安定して歩けます。

使用する場面の目安としては、2000m以下の山となるでしょう。

チェーンスパイク(チェーンアイゼン)

靴底に当たる部品が無く、チェーンの部分に小さな爪が付いていて、履き口は伸縮性のある素材が

輪になっているので、装着方法は『履くだけ』という簡単さです。

また部品が少ないからとても軽量で、収納もコンパクトなので持ち運びが全く苦になりません。

爪の数は、11本から23本までと幅広くありますが、一般的なのは19本でしょうか。

爪が大きく無いので、凸凹した木の根っこや石がゴロゴロした所でも歩きやすいです。

ただ逆に爪が小さい分、食い込みは浅いので傾斜がある場所では役に立たないという残念なことも

あります。

私が初めてチェーンスパイクを使ったのは、部分的に傾斜がキツくて完全に凍っている場所でした

フラットフッティングで突き刺すように歩きましたが、氷を引っ掻きながらも滑ってしまいました

このように、チェーンスパイクは傾斜に弱いという弱点があります。

登山地図を見れば、傾斜がキツイのか緩いのかが判るので(等高線で)傾斜がキツイ場所の多い山

へ行く時は、6本爪の軽アイゼンの方が安全です。

 

タイプ別おすすめアイゼン

12本爪

本格的な12本爪のアイゼンです。

登山靴のかかとに、コパと呼ばれるアイゼンの部品を引っ掛ける場所が無くても使えるように

プラチックハーネスになっています。

さらに、ベルトが緩み難いバックルになっているので、途中で緩んで来てベルトを締めなおす

というストレスが無くて良いと思います。

 

 

6本爪

私が持っている物と同タイプの6本爪軽アイゼンです。

歩いている内に、アイゼンの所に雪が固まってくっ付いてしまうのですが、そのダンゴが出来

難くするスノープレート付きです。

この『雪団子』が付くと、アイゼンの爪が全く役に立たなくなってしまうし、足は重たくなるし

歩き難いので団子が出来難いと言うのは、とても大事な機能だと思います。

 

 

こちらも6本爪ですが、ベルトが柔らかいので収納する時に簡単でストレス無しです。

スノーガードもついているので、雪団子のストレスも軽減されます。

 

 

チェーンスパイク

19本爪のチェーンスパイクです。

日本山岳ガイド協会公認ガイドで、ネイチャリングスクール木風車の創設者である橋谷晃さん監修

のスパイクで、特にかかとの爪の配置が優れていて、下りでの滑り防止効果が高いです。

またチェーンスパイクは、ゴム製の所を履くように靴に引っ掛けるのですが、表面が凍って硬くな

った雪の上を歩いたり枝に引っかかったりすると、ズレてしまう事もあるんですが、そのズレを防

止する為のベルクロバンドが付いているという所が大きな特徴です。

 

 

まとめ

冬山には、低山であってもアイゼンが必需品である、と言う事がお分かり頂けましたか?

またアイゼンによって、使える場所が違うという事もご理解頂けたでしょうか?

冬山は、凍ってる所があって怖いから行かない!なんて言わないで、木々の葉が落ちて樹林帯でも

日差しが届きやすく、空気が澄んでいるので遠くまで見渡せるのが冬山の良いところです。

雪の中を歩くのも、冬ならでは体験ですよね。

安全に登山を楽しむための装備として、アイゼンをザックに入れてお出かけして頂きたいと

思います。

 

 

 

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