熱中症対策は、街中の暑い場所だけでなく、登山中にも大事なことです。
ゆっくり歩いているだけに思われがちですが、激しいスポーツの部類に入っています。
なので気温が上がって来ると、脱水症や熱中症により疲労して、歩けなくなる遭難が多くなるのです。
登山に持って行く水分は、寒い時期なら500m~1ℓで足りていても、夏場は最低でも2ℓを持って行きましょう。
また熱中症対策には、ハンディ扇風機やネッククーラーを持ったり、保冷バックに保冷剤を入れて持って行っても良いでしょう。
ということで、この記事では熱中症対策、また熱中症になってしまったらどうする?などを解説していきます。
熱中症とは
熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能が上手く働かなくなり、体内に熱がこもった状態を言います。場合によっては死亡することもあります。
厚生労働省より
山の中は高温多湿で長く歩くから、上に書かれた条件に当てはまってしまうと言う訳です。
普段から汗があまり出ない人や、汗が出るから・トイレが近くなるからと、水分補給を控えてしまった場合に、起こりやすいと
言われています。
それは、汗が出る事で気化熱がおこり、体の熱を逃がしてくれるからです。
でも、その汗が出す為には、適切な水分補給が必要なのです。
熱中症対策は何をする?
屋内・屋外と場所によって対策方法も変わってくるので、ここでは登山の事に関して書きます。
寝不足はNG
まず基本的な事ですが、寝不足・疲れた体での登山はNGです。
登山は、激しいスポーツだという事をしっかり自覚しておきましょう。
寝不足や疲れた体で、長時間歩くのは難しいですし、熱中症のリスクも高くなります。
なので前日は、早めに寝て睡眠時間を十分に取り、朝はしっかりご飯を食べてください。
登山開始前の水分補給
また登山開始30分前までに、水分を200~500ml飲んでおくと脱水症状を起こし難くなります。
家を出て登山口に着くまでに、しっかり水分補給をしておきましょう。
30分前のエネルギー補給
食べたものが、エネルギーに変わるのには、時間が必要なんです。
登山口についてから、何かを食べて登り始めるのでは、最初の急な登りでバテてしまいます。
朝食をしっかり食べた人も、登り初めまでに時間がかかるなら、動き始める30分前にエネルギー補給するのが◎
すると、いきなりの急登でも、バテずに歩けますよ。
これらは私の経験で、事前の飲食は効果はあると確信しています。
猛暑日は登山を止める
運動をしなくても暑い猛暑日、その中で登山を行えば、体には熱が溜まってしまいます。
山頂や開けた尾根に登れば、風が強く吹いて気持ち良いことも多いのですが、そこへ行くまでは樹
林帯であることが多いですよね。
木があることで、風が吹いても遮られてしまい、とっても蒸し暑いです。
そして、そういう樹林帯には急登が多いんですよね。
ハーハー言いながら必死に登っていると、呼気からも体内の水分が出てしまい、脱水症を起こし
やすくなってしまうのです。
登山中に出来る熱中症対策
帽子を被る
それは強い日差しを防ぐ為だけでは無く、頭から出た汗を吸い取って外へ放湿する役目もあるからです。
なので帽子の素材にも、吸汗速乾機能が求められます。
汗を吸い取っても速乾性が無ければ、頭は蒸れて多湿状態になってしまいますから。
こまめな休憩
風が通る所や日陰を見つけたら、休憩をとって体の火照りを鎮めましょう。
そして休憩の時は、水分補給とエネルギー補給も忘れないでくださいね。
動いた後に水分を飲むと、汗が噴き出すこともありますよね。
飲んでも全然汗が出ない、ってなっていたら熱中症の始まりかも。><;
体を冷やす
暑いからと、日陰で休んでばかりいては登山が出来ませんね。^^;
そこで体を冷やす事が出来るグッズを、持っていくことをおすすめします。
無風状態の時もありますからね、ハンディ扇風機や長時間冷たさを保てる、グッズを持ってると良いですね
濡らさなくてもヒンヤリタオル
水に濡らして振ればヒンヤリとか、濡らすと冷たさが復活、とかありますが。
登山中には貴重な水だし、濡らすための水を持って行くのは、重くなって疲れが増します。
でも、このタオルは濡らさなくても、接触冷感でヒンヤリなんです
アームカバーで、接触冷感のものを使った事がある人には、そのヒンヤリ感は良く分かるでしょう。
接触冷感のウェアより、肌に密着している物は、さらに冷たさを感じますよ
熱中症対策に冷たい飲み物
ペットボトルの飲み物を持って行っても温度が上がってしまうので、1本は保冷ボトルを持って行くのが良いでしょう。
ボトルホルダーで『保冷』と書かれている物もありますが、それらには持続時間が明記されていません。
登山のように長時間かかる場合は、保冷の持続時間もチェックしてください。
家を出る時にキンキンに冷えたものを入れても、保冷時間が4時間だったら、登山口を入って直ぐに持続時間を迎えてしまうでし
ょう。
最低でも、6時間は冷たさが続く、という物を選ぶことをおすすめします。
熱中症対策は知ることから
熱中症になると、どんな症状が出るのか、知っていれば早めに対処できるので、覚えておいてください。
熱中症の症状
症状は、次のようなものがあります(個人差あり)
めまい。筋肉痛。筋肉の硬直。大量の発汗。頭痛。不快感。吐き気。嘔吐。倦怠感。高体温。
虚脱感。けいれん。手足の運動障害。意識障害。失神。
初めの方から症状が酷くなった場合を想定して、順に書いていますが、いきなり失神してしまう事
もあるようで、熱中症は本当に怖い症状なのです。
私の場合は、頭痛と頭のふらつき(めまい?)が、まず起こります。
熱中症になったら
では、熱中症が疑われる症状が出た場合は、どうしたら良いのかをお伝えします。
1,できるだけ涼しい場所へ移動する(日陰で風が通る所)
2,衣服を緩めて空気が通るようにする。ズボンのボタンを外したりも。
3,首・脇の下・足の付け根 を冷やす(保冷剤があれば使いましょう)
4,水分・塩分を摂る。この時スポーツドリンクがあればスポーツドリンクを。
これらが自分で出来る場合は、たっぷり水分を摂って体を冷やしながら、しばらく休んでいれば回復してくるので、ゆっくり休み
ながら下山しましょう。
自分で動けなくなったら
でも、自分で水が飲めなかったり、意識がもうろうとしている場合は、出来るだけ早く救助を要請してください。一刻を争います
熱中症の人を1人残す事は出来ないし、直ぐに下山できる訳では無いので、近くに登山者が居たら助けを借りましょう。
救助を呼ぶ人が、走って下山するのでは体力が持ちませんし、慌てて転んで二次遭難を起こすこともあります。
なので伝言ゲームのように、「病人です!助けを呼んでください!下の人に伝言してください!」とお願いするのです。
その方が、病人がいて助けを求めているという事が、早く下へ伝わってて行きます。
救助が呼べないソロ登山
ソロで登っている人は、自分が具合悪い事に気が付いても「下山しなきゃ!」という意識が強い
ので無理して動いてしまい、症状が悪化してしまいます。
また登山者が少ない山の場合は、助けてもらう事も出来ませんね。
なのでソロの人は、グループ登山の人よりも、自分の体調に注意を払って予防策をしっかり行ってください。
熱中症対策をして楽しい登山を
熱中症は、酷くなれば命を失うこともある怖い症状です。
登山前日は、しっかり睡眠時間を取って体を休め、朝食を抜かずに食べましょう。
登山口に着くまでの間に、水分とエネルギー補給をしてください。
また、天気予報で『猛暑日になります』と言ってる時は、登山を中止した方が安全です。
猛暑日でなくても、高温多湿の山の中で激しい運動をする登山は、熱中症のリスクが高いのです。
熱中症の対策方法
1,体を冷やす事が出来るグッズを使う。
2,保冷ボトルに飲み物を入れて持って行く。
3,塩分補給が出来る、タブレットや梅干しを忘れずに。
4,水分量は最低でも2ℓ、内500ml水筒で。
5,日陰や風が通る場所で、休みながら歩く。
症状が出たら
熱中症らしい症状が出た場合は、とにかく体を冷やしましょう。
水分も多く飲んで、日陰で体を休めてください。
症状が悪いようだったら、躊躇せずに救助を要請をしてください。
その場合は、できるだけ周りにいる登山者へ協力を求めましょう。
体調の変化に気を遣う
登山者全員が、気を抜かず注意した行動で、熱中症にならないようにしてください。
ソロ登山の人や、登山者が少ないマイナールートを歩く人は、誰にも助けてもらう事が出来ないので、より慎重に考えて行動する必要があります。
登山する時の正しい水分補給、という記事があるので、参考にして頂きたいです。
備えあれば患いなし。
皆様が、安全に登山を行い楽しく下山できることを願っています。