山歩きのパートナーとして、地図は絶対に必要です。
それは、どこの登山道にも丁寧で親切で分かり易い道標があるとは限らないからです。
道標の無い分岐があった時には、どちらへ進んだら良いのか全く分からなくなってしまいますね。
また道標を見落とした場合にも、道が判らなくなり遭難してしまいます。
コースタイムが短い低山で起こる遭難は、道迷いによることが多いそうですよ。
スマホ地図は私も使っていて便利ですが、『地図は登山の必需品・・・』という所でも説明してい
るように、スマホは機械なので電池が無くなったり壊れたら、使い物にならないですよね。
そんな時のためにも、必ず紙の地図も一緒に持って行ってくださいね。
この記事では『山と高原地図』という紙地図の見方や使い方などの解説をします。
地図は慣れるしか無いので、何度も見返したり『地図読み教室』を開催している所もあるので参加
して、安全に登山を行うために紙地図を使えるようになりましょう。
紙の地図
本屋さん、アウトドアショップ、ネットなどでも購入する事が出来ます。
紙なので、広範囲はフォローでき無いから、自分が行く山が載っている地図を買いそろえる必要が
あります。
2種類ある紙の地図
良く見る『登山地図』と『地形図』というものがあります。
地形図
地形図は、国土地理院が発行する2万5千分の1の縮尺地図で、細かな等高線と記号で山の地形や
植生などを表していて、とても有用性のある情報が詰まっている地図です。
でも、これを読み解くには『読図』という知識と技術が必要です。
これは、山岳ガイドやアウトドアショップで行っている、読図教室に参加して学ばなければ理解す
ることは難しいです。
登山地図
登山地図は、他の記事(地図は登山の必需品)でも解説しているように、カラーで表示されていて
登山道とそのコースタイムや、山小屋・テント場・水場などなど、色々な情報が見るだけで判るよ
うになっているものです。
代表的なのが、下の画像にある『山と高原地図』です。(ちょっと古いです^^;)
地図には、年々変化している情報が書き加えられたり、書き替えられたりします。
なので、毎年買い換えるのが好ましいのです。
我が家でも、初めて行く山は当然新しく買いますよ。
でも、特に奥多摩は私や主人にとってホームグラウンドと言えるほどに歩き回っている山域なので
過去に歩いた所は、登山道に変化が有っても判るくらい覚えてしまっています。
なので3年に1回位しか買い換えていません。^^;(悪い見本です!!)
紙地図にはコンパスが必要
地図は『上が北』と誰でも覚えていますよね。
山と高原地図も、当然そのように記載されていますが!記載する関係で微妙なズレが生じています
そのため、地図の端っこには縮尺サイズと共に、正確な北の方向が示されているのです。
地図の端と平行に合わせると、北が少しズレていますよね。
初めから「これだけズレてますよぉ」って表示されているんです。
右の図を見ると、地図に書かれた図の枠線と平行になって無いことが判りますよね。
地形図の場合は、このスケールに添った青い線の所を地図に書き込んでしまんです。
私も地形図の読図は出来ないので、正確なところは判りませんが、書き込んでいるのを見た事はあ
ります。^^;
ここでは山と高原地図を解説するので、これだけのズレがあるという事を理解してください。
山と高原地図
折りたたまれている地図を開くと、ブログのトップにある画像になります。
その地図の中に、赤線で囲われている場所があって、その部分は裏側に上に画像のように拡大した
図が表示されています。
なので登山道が入り組んだ所が、分かり易くなっています。
また、登山口までが判りにくい箇所は、別枠に丁寧に書かれていたり、バスや電車で行く場合、車
で行く場合は・・・などの情報まで書かれていますよ。
コースタイム
地図の中に書かれている赤い線が登山道で、その横に書いて有る数字が地点から地点までのコース
タイムです。
数字の横に▼のマークが付いているのは、その先端方向へ向かって何分という見方をします。
同じ道でも、両側に書いてある数字に違いがある事に気が付きましたか?
登りはキツイからコースタイムは長くなり、下りではコースタイムが短くなっています。
下に貼ってある大きな地図の方が、分かり易いと思います。^^;
このコースタイムの基準は、40~60代の登山経験者による、2~5人のパーティーで、雪の無
い夏の時期に、晴天の時に歩いた事を想定して書かれています。
なので、若者はコースタイムよりずっと早く歩けるでしょうし、40代でも登山に慣れて無い人や
体力があまり無い人などは、書かれているタイムで歩くのは難しいでしょう。
ちなみに私は、3年位前まではコースタイムか少し早い位で歩けましたが、その後の体調不良で思
うように登山が出来なくなり、太ももの筋肉が落ちてしまったので、登りでは+30分と見て丁度
良い感じです。
下りは今でも早くて、コースタイム通りかそれ未満で歩けちゃいますけどね。(^^)
このように、コースタイムを見ながら自分が区間を何分で歩いたかを、書き残すか写真に残してお
けば、自分のタイムが判ります。
1kmを何分で歩く事が出来るのか、登りだったら何分か、下りだったら何分か、などを把握して
おきましょう。
自分のタイムがあってこその、コースタイム表示だと私は考えています。
???良く判らないですか?
自分のタイムを知る必要性
例えば、地図にコースタイムが50分と書いてありました。
今は11時だとします。
あなたは地図のコースタイムだけを見て、11時50分に山頂に着くと計算しました。
でも、あなたは50分では歩けずに1時間10分掛かってしまいました。
そうなると、予定より20分も遅れた事になってしまいますよね。
下山の予定は15時だったとしたら、山頂での休憩時間を20分として、下山でコースタイム通り
に歩けたとしても、下山できるのは15時30分になってしまう・・・という事です。
予定時間が狂うのは危険も伴う
車で来ている人は困らないかも知れませんが、バスに乗る予定の人は本数の少ないバスを1時間以
上も待つことになってしまいます。
当然、予定していた電車にも乗れずに帰宅時間も大幅に遅れてしまい、家族に心配をかけますね。
また、日の短い冬は14時を過ぎると山の中は薄暗くなってきます。
不慣れな山で暗くなった場合は、光源としてヘッドランプしか無いですよね。
道標も地図も見難くなって、遭難の危険度がグンッと高くなります。
このように、予定時間が狂うという事は色々な面で困る事になってしまいます。
だから、地図に書かれているコースタイムを鵜呑みにせずに、自分の歩くペースを知る必要がある
と言う訳なんです。
自分が+何分なのかが判っていれば、最初から「地図のタイムは50分だけど私なら+30分かか
るから・・・」ってしっかりした予定が立てられるという訳ですよね。(^^)
紙地図から地形を読み取る
地図には等高線が書かれていますが、線と線の間が狭いと急斜面で間隔が広いと傾斜も緩やかな道
ということなんです。
そして山頂などの高い所から見て、低い方へ繋がっている所を『尾根』と言い、逆に等高線が低い
所から高い所へ食い込むように書いて有る所は『谷』と言います。
尾根とは
両側に、そこより高い場所が無いところです。
右側も左側も、下りの斜面になっているような所です。
谷とは
両側に高い場所がある『間』のところのことです。
谷間と言う方が、分かり易いかも知れませんね。
上の地図に線を引いて見ました。
白い線は『尾根』で、青い線は『谷』です。
丸く囲ってあるのは、三頭山の中央峰の山頂なので、等高線が歪んではいるけど円になっています
文字が書かれていて分かり難いですけどね。^^:
その山頂の円を囲むように、バームクーヘンのように^^ 外側に広がって行ってるのが『尾根』で
広がっている円に食い込むように出っ張って来ているのが、青い線の『谷』です。
左上の方は、文字が書いて無いから分かり易いと思いますし、何となく白い線の所が浮き上がって
高く見えませんか?
そして『秩父多摩甲斐国立公園』と書かれている辺りは、等高線の幅が狭いですよねぇ。
こういう所は、傾斜がキツイ斜面だという事が判ります。
一方、その左部分の白線の左側を見ると、右側より間隔が広くなっているので、こちらの方が傾斜
は少し緩くなっていると言うのが判ります。
等高線と登山道を見る
地図を見ると登山道が、四方八方に伸びていますよね。
こういう場合は、登山口へのアクセスやコースタイムも関係してきますが、もし同一条件であった
とした場合は、等高線の幅が広い場所が多い登山道を選んだ方が『少しは楽に歩ける』という事に
なります。
また、登山道の等高線を見て「この先は傾斜がキツそうだから、手前のココで休憩しておこうか」
などと、計画的に休憩を取る事も出来ると言う訳です。
地図記号も見る
上の地図では文字が多すぎるせいか、地図記号は見当たらないのですが、私は1つだけ見つけまし
たよぉ。
地図の上部で、中央の白線と左側の青線の間です。
こんな風になっている所が見えませんか?
これは地図記号です。
記号に関しては『登山地図の記号をマスターしよう』の記事に詳しく書いてあるので参考にして頂
きたいと思います。
上の地図で言うと、中央の白線から左の青線へ下っている斜面の途中に、岩があるということなの
で『目標物』として見ておくのが良いでしょう。
登山道は有りませんけどね。^^; 一応そういうことだと理解して頂ければ。笑
まとめ
登山に地図は、必須の装備品です。
スマホアプリの地図が、ものすごく使いやすいことは、私も使っているので良く判ります。
でも、スマホは機械ですからね。
電池の消耗や故障で使えなくなったら、右も左も分からなくなってしまうんですよぉ。
そのために、スマホ地図を使っていても紙の地図も持って行く方が良い、という事なんです。
紙の地図と言っていますが、汗や少し位の雨では破れないように加工がされているので安心です
地図ケースと言うのもありますよ。
スマホ地図と紙地図の両方を持つ事で、もしもの時にも安心材料になるので、必ず両方を持って
登山に出掛けてくださいね。(^^)