登山で使う救急箱を、ファーストエイドキッドと呼びます。
他のアウトドアや、災害時などにも使いますけどね。
山の中には色々な雑菌が潜んでいるので、怪我をした時は速やかに応急処置を行う必要があります
また酷い怪我の場合は、止血や固定などしないと自分で歩いて下山出来ないこともあります。
常にザックに入れておいてください。
でも、どんな物を持って行ったら良いのか? またどういう時にどうやって使うのか?
普段は使わない事が多いので、分かり難いと思うので、1つ1つ解説していきます。
登山で使う救急箱
お店が無ければ病院も無い、水道も無いのが山の中。
そんな状況で、怪我をしたり具合が悪くなった時は、自分で対処しなければばりません。
ファーストエイドキット
怪我の程度が軽くても、雑菌が入って感染症を起こす場合もあるので、たとえ擦り傷でも早く置する
必要があります。
そのための道具を色々揃えた救急箱のことを、ファーストエイドキットと呼びます。
セット販売とポーチだけ
ファーストエイドキットは、セットで売っている物もありますが、ポーチだけも売っています。
丈夫なオックスフォード生地で作られていて、防水機能(完全では無い)もあります。
少し位の雨に濡れても、湿った場所に置いても、中身が守らるのです。
また中側にはポケットも付いているので、細かい物が取り出しやすくなっています。
中身をチェックする
登山で使う救急箱なので、どこの山へ行くとしても必ず遂行して欲しい物です。
と言うのも、怪我はいつどこで起こるか予測不可能だからです。
ちなみに、使わなくても1年に1回は中身をチェックし、状態を見て入れ替えをおこないましょう
家に置いてある救急箱と、同じ考え方でいると良いですね。
特に飲み薬は、1年で入れ替えるようにしてください。
初めてのファーストエイドキット
市販の物には、怪我をした時に必要な物が色々と入っていて、これさえ持っていれば安心と思うかも
知れませんね。
でも良く見ると、これだけで良いの?というセットが多いようにも感じます。
基本のセットとして
登山で使う救急箱なんて、初めて持つから良く分からない。
そんな人は、まず市販のセット品を購入するのが良いでしょう。
市販品には、色々な種類があります。
中身をしっかりチェックして、必要があると思う物を購入してください。
市販品に入っている物
売っているお店やメーカーによって、違いが大きいのですが、多くに入っている物を説明します。
ポイズンリムーバー
蜂や蛇に噛まれた時、毒を吸い出す道具です。
口で吸い出すと、聞いたことが有るかも知れませんね。
でも口から毒が入ってしまうので、絶対に口をつけないでください!
絆創膏
小さな傷を保護するガーゼ付きの粘着テープです。
それぞれの地域によって色々な呼び方はありますね。
それらは、ほとんどが商標登録された名前なので、ここでは控えさせて頂きます。^^
止血帯
その名の通り出血を止める帯状のものです。
出血が酷い時に使いますが、傷より心臓に近い方を服の上からきつく締めます。
締めすぎに注意
長く締め過ぎると細胞が死んでしまいます。
最長でも30分から45分くらい押さえたら、1度緩めてください。
慌てない
出血の多さに焦ってしまい、とにかく止めなきゃ!って気持ちが湧くでしょう。
しかしギューギューに、長時間締めっぱなしと言うのは、絶対にしてはダメです。
細胞が死んでしまったら、最悪な場合は病院に行っても切断する事になってしまうからです
ガーゼ
出血している部分を押さえたり、傷についている汚れを落とすのに使います。
絆創膏では収まらない大きさの傷には、ガーゼを当てて上から包帯やテープで留めます。
また出血している場合は、傷にガーゼを当てて上から手で押さえるという止血法を行います
包帯
怪我の保護に使いますが、丈夫に出来ているので、紐の代わりにも使えます。
伸びない生地の物なら、捻挫などの固定用にも使えるので、1本持つなら伸びないものが良いですね
骨折した場合には、添え木を当てて留めるために巻くという使い方もします。
三角巾
良く知られているのは、怪我をした腕を固定する方法ですが、三角巾は万能なんですよ。
ガーゼ・包帯・テーピング・止血帯のなどの代わりに使う事も出来るし、負傷者を寝かせる時などの
敷物としても使えます。
安全ピン
包帯や三角巾の固定用として使うだけでは無く、刺抜き・傷に入った異物を除去する等の使いかたも
出来ます。
ただし刺抜きや傷に使う時は、ハリの先を消毒液で洗うかライターの火で炙って、消毒してから使っ
てください。
ハサミ
包帯やガーゼを切るだけでは無く、傷口が見えるように衣服を切る時にも使います。
市販のセットに入っているものが、ミニサイズだったら、少し大きなものに替えておきましょう。
また山でご飯を食べる時に、レトルトの袋が開かない!って時にも使えるようなサイズが良いです
使い捨て手袋
山の中では手を洗えませんね。
処置する人の手も、清潔で無ければ傷に菌が入ってしまいます。
また他人の怪我を処置する場合は、自分への感染を防ぐためにも手袋が必要です。
病院で血液は汚染物、として取り扱われています。
それは症状が出て無くても、何らかに感染していることを想定しての扱いです。
アルコール綿
器具や手の消毒に使います。
でも、傷の消毒には使わない方が良いと言うことです。
その理由は、傷に引っかかって綿切れが、傷の中に入ってしまう事が有るからです。
傷の周りを拭いたり、使うハサミやピンセットなどの消毒に使うだけにしましょう。
ノンアルコールウェットシート
アルコールアレルギーの人もいますね。
自分以外の人を手当する場合も考えて、ノンアルコールの物も持って行くと良いです。
綿棒
細かい部分の消毒や虫が目に入った時などに使えます。
でも、耳に虫が入った時は、絶対に使わないでください。
その理由は、綿棒で虫を奥に押し込んでしまうからです。
耳に虫が入った場合は、入った耳を下にしてトントンと頭を叩いてみたり、耳に電気の明かり
を射して虫をおびき出す方法を、使ってください。
ピンセット
刺抜きに使ったり、傷を処置する時に直接触らない為に使います。
ガーゼを直接手で持ってしまうと、手に付いている菌が付着する場合があります。
これは手袋をしていても、なんです。
だから、器具やガーゼを持つ時は、消毒したピンセットを使うようにしてください。
テープ
傷に処置したものの固定だけでなく、ザック・靴・帽子の紐などなど一時凌ぎで修理するのに
も使えます。
またチクチクする草の実が、ウェアに張り付いてしまった時などにも、貼り付けて取れます。
なので色々な使い方を考えると、幅広の物が良いですね。
アルミブランケット
防風・防雨・保温が出来るシートです。
大きな怪我をした時は、出血の多さでショック状態になる事があるので、身体を包んで温めてあげま
しょう。
非常時以外にも、思っていたより寒かった、などという時に上着の下に挟むと、身体を暖かく保つこ
とが出来ます。
LEDライト
薄暗い山の中で、傷口の処置をする時に照らします。
その他、普通のライトとしても使えるので、持っていると良いですね。
ホイッスル
緊急時、助けを呼ぶ時に使います。
最近のザックには、チェストストラップにホイッスルが付いている物が多くありますね。
これが付いているなら、ホイッスルを買ってファーストエイドキッドに入れる必要は無いですよ。
ガイド(取り扱い説明書)
使い慣れた物ばかりでは無いので、これを見ながら処置を行うと安心です。
医療関係の人で無い限り、傷の手当や大きい傷を見る事に慣れてる人は居ないと思います。
出血が多い時や傷口が大きく開いてしまっているのを見ると、焦ってしまって頭が真っ白に
なってしまう事でしょう。
そんな時でも、的確に処置する事ができるように、取り扱い説明書はファーストエイドのポ
ーチに入れておきまししょう。
そして、いざと言う時に少しでも落ち着いて出来るように、普段から何度か見て頭に入れて
おくことも大事ですね。
登山で使う救急箱
ファーストエイドキットは救急箱なので、登山をする時いつもザックに入れておいてください。
市販のセット品は、最低これだけは持っていましょう、という内容になっています。
もし常用している薬がある人は、3日分くらいを入れておくと安心です。
またお腹を壊しやすい人・頭痛を起こしやすい人など、色々と必要な物も変わってきます。
なのでファーストエイドキッドのカスタマイズは、必ず必要なので自分用を作ってくださいね。
ファーストエイドキッドのカスタマイズに関しては、別の記事で解説しています。
また、ヤマケイ(山と渓谷社)から、山のリスクについての本が出ています。
ぜひ読んで、何をどう気をつけたら良いのか、準備はどうしたら良いのかなどを勉強しておくと良い
ですね。^^
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