高地登山のための保温着の選び方と使い分けを詳しく解説!

保温着
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高地の登山は素晴らしい眺めを見ながら歩くので、楽しいのですね。

しかし、高山ならではの危険を伴うことが多いのも事実です。

それは、標高が高くなるにつれて、気温は急速に下がり、気象条件も厳しくなるということです。

そのため、登山者は1年を通して保温着を持って行くことが、非常に重要となります。

この記事では、保温着の選び方と使い分けについて詳しく解説します。

標高が高い山を、安全に楽しくための知識として、最後まで読んで頂きたいです。

 

保温着の必要性

標高の高い山では、たとえ真夏であったとしても保温着が必要です。

その理由は、地形から独特の空気の流れがあり、上に行くほど風が強くなり、気温も低いからです。

標高1000m登るごとに、気温は6.5℃下がります。

たとえば、3000mの山だったら、地上と比べて約20℃も気温が低くなるという事です。

また高山では、その厳しい環境から背の高い木が育ちません。

木が無いということは、風を遮る物が何も無いという事です。

山に吹きつける風は、夏でもとても冷たいので、よって保温着が必要だと言うわけなのです。

森林限界を超えた高山

保温着の選び方

保温着には、ダウンジャケット・化繊のジャケット・フリースなどがあるので、それぞれ解説します。

ダウンジャケット

多くの人が保温着として使っているのが、ダウンジャケットです。

メリット:軽量でありながら高い保温性がある。

     圧縮性が高いのでコンパクトに収納でき、持ち運びに便利。

デメリット:湿気や雨に弱く、濡れると保温性が低下する。

このデメリットを克服すために、小雨程度なら弾く撥水加工がされたダウンもあります。

また、ダウンと化繊綿を合わせたハイブリッドダウンもあり、もし濡れても保温性が保たれます。

なので、登山で使う場合はハイブリッドタイプもしくは、撥水加工がされものが良いということです

左のものは、ダウン90% フェザー10%です。

止水ファスナーも使われている、ハイブリッドなダウンコートです。

サイズは、XSから3XLまで有り、色はブラックとベージュがあるので、男女問わず着ることができます

また、右のものは、ダウン54% フェザー4% ポリエステル40%のハイブリッドタイプです。

本体のポケットに収納して、コンパクトに持ち運べるところが特徴なので、スタッフバックは不要。

さらに、リサイクル素材を使っているので環境にも優しくて、登山者向きになっています。

撥水加工が施されているので、濡れても保温性を持続して速乾性もあるので、天気が不安な時もOK

化繊ジャケット

メリット:湿気に強く速乾性もあるので、悪天候の時にも保温性を確保できる

デメリット:通気性が低いので着ていると、行動中に着ると蒸れてしまう事がある

      またダウンに比べると重さがあり、圧縮性もダウンには劣るため嵩張る

上のものは、登山用のレインウェアには劣るものの、耐水圧と透湿性能・保温性も備えています。

だから、天気が思わしく無いときには、ダウンより化繊綿を選ぶと良いでしょう。

フリース

メリット:通気性が高く速乾性があり動きやすいので、行動中に着ていることも出来る

     嵩張るけど軽量なので、持ち運びも苦にならない

デメリット:防風性は無く、保温性はやや劣る

行動中にミドルレイヤーとして着る事を考えると、あまり厚手では無い方が良いでしょう。

保温着の使い分け方

行動中

ミドルレイヤーとして、軽量で透湿性があり、動きやすいフリースを着ると良いでしょう。

ベースレイヤーが吸った汗も、フリースの透湿性で湿気を外に逃がします。

だから、蒸れずに汗冷えも防ぐことが出来て、行動中に着ていても快適なのです。

また、袖をめくったり前のファスナーを開けるなどによって、かなり温度調節が効きます。

レイヤリングについては、『登山の服装はレイヤリングが基本』の記事で解説しています。

参考にしてください。

休憩中

動きを止めると一気に体が冷えてきます。

体を冷やすということは、低体温症のリスクが高くなってしまうということです。

だから、休む時はまず上着を着るようにしましょう。

低体温症については『低体温症とは?』という記事を読んで頂きたいです。

歩く時にフリースが良いと書きましたが、フリースは風を通してしまいますね。

なので、休憩する時はダウンか化繊のジャケットを着て、体温の低下を防ぎましょう。

小屋泊の時

快適なほど、暖房が効いている訳ではありません。

外気と触れて無いだけまし、という程度なのでしっかり防寒が必要です。

食事の時間くらいまでは、多くの人が起きていたり電気が点いていたりで、少しは温かいのですが

消灯するとと一気に冷え込んできます。

富士山では、小屋の中でペットボトルの水が氷ると聞きました。

なので小屋の中でも、ダウンパンツやダウンジャケットを着る必要があります。

上のダウンパンツは、レインパンツのように豪雨をも通しません。

ダックダウンの蓄熱性と保温性と摩耗性や防汚性、優れた透湿性があります。

だから、朝の出発で寒い時には、履いたまま行動することも出来ちゃいますよ。

 

まとめ

夏でも高山は、地上より約20℃も気温が低くて寒いので、防寒対策が必要です。

単に防寒だけを考えず、透湿性能が備わっている事も、重要です。

それは、汗蒸れによる体の冷えを防ぎ、低体温症のリスクを下げるためです。

ダウンは濡れに弱い、というデメリットがあります。

だから、登山ではハイブリッドのダウンジャケット化繊ジャケットを使うようにしましょう。

フリースは、保温性がそれほど高くはありません。

しかし、他のウェアと組み合わせることによって、とても便利なミドルレイヤーとなります。

ただ重ね着を前提に考えて、あまり厚く無いものを選ぶのが良いでしょう。

夏は、富士登山に行かれる方も多いですね。

でも、地上は真夏でも富士山の8合目以上は真冬と同じです。

このことをしっかり理解して、防寒着の用意をして行ってください。

富士山では無くても、2500mを超える山では、同じく夏でも寒いことを理解しておいてください

適切な保温着を用意して、レイヤリングをしながら、安全で快適な登山を楽しみましょう。

 

 

 

 

コメント

  1. わーこ より:

    ネパールのヒマラヤトレッキングに行った時、高地登山ではいかに体温を保持するかが大切だなって思いました。高山病にも注意が必要で水分補給とか無理しない事を学びました。
    今は機能性豊富なウェアがたくさん出ていますね。
    お値段お高めなものもあるけれど、値段なりの価値が有る気がします。

    • harupy より:

      わーこさん!
      ヒマラヤマへ行ったんですか?

      TVで映る所ばかりでは無く、そもそも標高が高いところですよね?
      山頂は目指さなくても、過酷な条件ですよね。

      とても良い経験をしてきたんですね。
      素晴らしいです。^^

      • わーこ より:

        30代の体力のなせる業でしょうか。登山というか尾根歩きがほとんどなので、しかも荷物はポーターさんが持ってくれるので私くらいの経験値でも大丈夫でした。
        食事も作ってもらうしね。
        でも朝焼けの山々の風景は忘れられないです。カメラの電池は体の中に入れて温めないとだめでした。寒かったです。まだデジカメが無い時代でした。
        高山病で苦しむ友人は高地順応が大変そうでしたが、私は休養を取る、水分を取る事で乗り切りました。エベレストをはるか遠くですが見る事が出来て幸せでしたね。

        • harupy より:

          素晴らしい経験でしたね。拍手!!

          そう!電池って寒さに弱いですよねぇ。
          未だに、克服する技術は出来て無いようで
          あるのかな?あっても高額で、一般市民には手が出ないようなものでしょう。

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