那須岳は、栃木県の最北端に位置する、活火山です。
茶臼岳・朝日岳・三本槍岳の3山で、那須三山と呼ばれています。
最高峰は、三本槍岳で1917mですが、1番奥にあるのでロープーウェイを使っても、コースタイムは6時間くらいになります
他2つの山も、荒れた岩稜帯の急な上り下りがあるので、三本槍岳へ行くのは健脚向けだと感じました。
では、私が歩いた周回コースを詳しく解説します
那須岳登山アクセス
公共交通でも車でも、ロープーウェイ駅前まで行かれます。
公共交通機関
公共交通機関を使う場合は、那須塩原駅から路線バスで『山麓駅行き』に乗ると
ロープーウェイ駅まで約1時間10分で、黒磯駅からバスの場合は、約60分で着きます。
車
車の場合は、那須インターチェンジから、約35分でロープーウェイ駅前の駐車場に着きます
駅前より奥に町営の駐車場がありますが、駅前が満車の時やロープーウェイを使わない人に向いています。
ロープーウェイ駅前の駐車場にトイレは無く、稼働するまでは駅に入ることも出来ません。

那須岳への登山道
ロープーウェイ駅前の駐車場から、道を渡った所に登山道があります。
峠の茶屋駐車場までは、石畳の階段が続き、意外と急なので息が上がってしまいました。(笑)
トイレは、峠の茶屋駐車場の1番奥にあるのが最後で、山に入ると非難小屋にもトイレは無いし
山小屋も無いので寄っておきましょう。
那須岳登山口
登山口は、峠の茶屋駐車場のトイレから左へ登ったところにあります。
鳥居をくぐって石段を登っていくと『山の神』があるので、登山中の安全を祈願して進むとよいでしょう。


私が歩いた那須岳のコース
今回私は、緑色のところを歩きました。
この地図を見ても、三本槍岳が遠いことは分かりますよね。(汗)

樹林帯を抜けると森林限界?
森林限界とは、気象状況などから背の高い木が生息することの出来ない地域のことです。
なので森林限界を超えた地域には、土の道さえも少なくなり、ザレ場・ガレ場と言われる岩々な道だらけになります。
そんな土地で生えているのは、小さな高山植物と這松です。
那須岳は?
緯度が高いから森林限界なのか?
火山だから、木々が生えていないのか?
調べたけど、分かりませんでした ;^_^A
ちなみに、那須三山の中で1番高いのは三本槍岳の1916mで、茶臼岳は1915m・朝日岳は1896mです。
一般的に森林限界の標高は2500mですが、北へ行くほど限界の標高は低くなり、東北地方は1600m程、北海道は約1000mです。
那須岳登山におすすめ登山靴
足元が凸凹しているだけでは無く、大きな岩を登ったり、それが急な斜面だったりと足首には過酷な登山道です。
だから登山靴は、靴底が固めで履き口はハイカットかミドルカットのものを履いて、足首から下を守ると良いでしょう。
ローカットの靴を履く場合も、靴底はあまり柔らかく無いものを、そしてゲイター装着で中に石が入らないように。

樹林帯はここまでです。
そうは言っても、峰の茶屋跡避難小屋から朝日岳へ向かう登山道にも、木は生えていますが狭い範囲で背丈も低いです。

装備にヘルメットを
今回の登山で、ヘルメットを被って居たのは数人でしたが、森林限界を超える山や火山へ行く時は、ヘルメットを
かぶりましょう。
アルプス山脈の中には、ヘルメットを被らないと登山が出来ない地域も出てきています。
写真の足元を見るとわかりますが、こんな石が落ちてきたら怖いですよね。
また、足を滑らせて転んで、頭を打って打ち所が悪ければ・・・
那須岳峰の茶屋跡避難小屋
駐車場から約1時間、コースタイム通りに避難小屋へ到着しました。
この避難小屋には、トイレも水場もありません。
ただ中は綺麗なので、疲れた場合は横になって体を休めることも、出来そうな感じでした。
稜線上に立つ避難小屋は、下から風が吹きあがってくるし、風は強くて冷たいです。
足を止めるときは、汗をかいていても上着を羽織り、体を冷やさないようにすると良いです。
朝日岳へ
すごく足が攣りやすい私は、5分ほど座って歩き出したら、ひどく攣ってしまいました。
駐車場から約1時間の歩きで、水分は500mlを飲み干すくらいに飲んでるし、塩分チャージもちゃんとしました。
それでも攣ってしまうんですよね。
筋力のキャパオーバーというのが大きいのですが、冷たい風に晒された影響もあると思います。(同じ状況で良く攣ります)
こんな時のために漢方68番は、常にザックに入れてあるのです。
良く効くので、足が攣りやすい人にはおすすめですよ。
那須岳避難小屋から65分
歩き出しは、小屋の横にある山をトラバースする狭い道です。
木が邪魔してる場所もあるし、道が狭いのですれ違いには細心の注意を払いましょう
そこを抜けると、もう完全に別世界ですよ。^^
下の画像で、朝日岳はまだ見えていません。
左から右に、岩稜帯の尾根を進みますが、右にある小さな出っ張りの下をトラバースして、裏側へ進んで行きます。

中央の岩の所
上の画像で、中央にある岩の所から、歩いてきた道を振り返りました。
左下の部分は、高所恐怖症の人だったら竦んじゃいそうな高度感です。
そして真ん中に写っている岩、すごくないですか?右側に立ってる岩を支えるかのように、間に挟まってます。
こんなの誰かがやる訳無いでしょうから、自然の造形物ですよね。^^
このあとは、急な登りが待っています。

急な登りの始まり
下の画像は登り始めの所で、上に行くともっと傾斜がキツくなります。
ストックが無い人は、渡してある鎖を持ちながら登ると良いですね

上部は、この傾斜です。(下の画像)
岩が大きいので、ヨイショッて登ったり、岩と岩の間を歩いたりしたけど、鎖に掴まりながら頑張って登りました (;^_^A

1番の難所
急登のあとは、トラバース。(山を横切ること)
山肌には鎖が付いているけど、崖側には何も無いので踏み外さないように注意です。
ここですれ違うのは難しいため、先を見ながら歩いてすれ違いが起きそうな時は、あらかじめ広めな所で避けているのが◎
下の画像で言うと、主人が立っている所ですね。
そのため、ここを抜けるのに少し時間がかかりました。
登る人・下山する人が、お互いに譲り合って順番に避けるのが、登山のマナーになります。

また急登
上の写真の左端まで行ったら、また急な登りです。
この写真を見ると、ただの急な登りに見えるけど、これより下の方は大きな岩がありました。
降りてくる人とすれ違いが出来ずに、順番待ちがあったので写真が撮れなかっただけです。
ここを登り切れば、いったんは急坂が終わるので、青空に元気をもらいながら登りました。^^

朝日岳肩
急なところを登りきると、朝日岳の肩という広い稜線に出ました。
登って行って右側には朝日岳が見えて、左側には熊見曽根から三本槍への道が続きます。

近くて遠い(?)朝日岳
朝日岳の山頂にいる人まで見えていて、0.2㎞と道標には書いてあったのですが、これ200mに見えますか?(笑)
こんなに急な所を登って行きますよ。

那須岳の1つ朝日岳山頂
山頂直下に大きな段差があって、手を使わないと登れなかったので、登り切った所から動画を撮り始めました
素晴らしい眺めの朝日岳山頂
個人的には、茶臼岳からの眺めより素晴らしかったと感じました。
どちらか片方しか登れないということがあったら、ぜひ朝日岳へ登って欲しいと思うほどでしたね。
歩いて来た道を示したかったんだけど、この景色を汚しちゃうのも勿体ないから2枚貼ります(笑)

那須岳の登山道
茶臼岳の左下から登って来て、突き当りが峰の小屋跡避難小屋で、茶臼岳へはお鉢巡りをするので右側から登りました
そして左へ降りて行けば、ロープーウェイ乗り場です。

朝日岳から下山
山頂は狭いし、続々と登って来ていたので5分くらいで下山しました。
朝日岳の肩まで降りたとき、私は足が限界を迎えていると感じたのです。
なので、主人だけ向かい側の熊見曽根へ登り、私は肩で待つことにしたのです。
まだ10時過ぎたばかりだったけど、登りでかなり体力を使ったので、パンを食べてエネルギーと水分補給をしながら、腰から下
全体をしっかりストレッチしていました。
30分ほどで主人が戻って来たので、峰の茶屋跡避難小屋まで同じ道を使って戻りました。
茶屋跡避難小屋へ
ロープーウェイを使ったであろう人たちが、ゾロゾロ登って来たので、すれ違いが出来ない場所では避けて待つ必要があり、登る
時より時間がかかってしまうと思いました。
しかし私は、岩場の下りがとっても得意なんですよ。
岩の上をトントンと渡って行かれるので、登る時に苦労した急な所もトントンって(笑)
だから、コースタイムで避難小屋まで戻れちゃいました。^^
ただ熊見曽根へ登った主人は、今回避難小屋泊を想定した荷物をザックに入れての、トレーニング登山だったので、かなり疲れて
いたみたいでした。^^;
那須岳の主峰茶臼岳へ
いよいよ最後の、茶臼岳へ向かいます。
距離は、峰の茶屋跡避難小屋から1.2kmで、コースタイムは50分です。
下の画像は、茶臼岳へ登り始めてから朝日岳を振り返りました。(右の1番高い所)

那須岳主峰への登り
距離は長く見えるけど、時間はさほど掛かって無かったんです。
疲れと急さで、ゆっくり歩いたんですけど。
登山道は、こんな大きな岩の道で常念岳を思い出しました(笑)


茶臼岳のお釜
これが茶臼岳のお釜ですが、全然お釜らしさが無いですね。
こんな所から噴火するのかなぁ??って言っても、草津白根山みたいに突然の噴火ってこともあるから、怖いですよね。
あれは、私たちが行った翌年の事でした。
普通に歩いて来たところが噴火したとTVで言ってて、凄い恐怖感があったのを覚えています。

那須岳の主峰茶臼岳山頂
ここで、1つ訂正があります。
私は動画の中で、神社の横に名前が書かれているのを見て、こんな所に名前を書いてなどと言っていますが、後で良く見たら登山
という文字も見えていました。
もしかしたら、登山中に噴火で亡くなられた方々の、お名前だったかも知れません。
良く確かめず知らないくせに、イタズラと決めつけてしまった発言を撤回します。
申し訳ありませんでした。
さすが那須岳の主峰という広さ
朝日岳の狭かった山頂と比べると、とても広い山頂でした。
そして、プレハブ小屋みたいに大きな岩がいくつもあり、平らな面が多いことに驚きました。
凸凹している岩は噴石だと思うのですが、飛んできた噴石がぶつかって、パカンッと割れたものなのでしょうか?
山頂は観光地
茶臼岳の山頂には、登山者だけでなく観光客も多くが来ていました。
その人たちは、普通の服装で普通のスニーカーで、登って来ているんですよ。
良くこんな岩々の所を、そんな靴で歩けるねぇって、逆に感心しちゃいました。(笑)
でもやっぱり下山では、ザレた急な斜面で滑って転ぶ人を何人も見ましたけどね。
登って来て「これ以上無理~嫌だぁ~」って帰って行く人もいましたが、やっぱりココにも居ました『手ぶらのおじさん』が。
私より年齢が上じゃない?みたいなおじさんが、何も持たず・・・・もとい、トレッキングポールだけ持って(笑)登っていました
脱水症状を起こして、動けなくなたらそれは遭難ですからね。
那須岳からの下山
楽しかった山歩きも、残り僅かとなりました。
朝日岳から朝日岳の肩まで降りたとき、既に私の足は限界を迎え、ひどく攣ってしまっていました。
だから、ずっと座らずにストレッチをしながら、主人を待っていたんですけどね。
登山では、登ったら自力で降りなければなりません。
歩けなくなったら遭難ですから。
しかし、この下りから車に着くまでが、長く辛い時間になったのでした。
足が激攣り
下山を始めた途端に、足首から先が激攣りしちゃいました。
足の裏が横を向いちゃって、ちゃんと足が着けなくなってしまったのです。
私の登山靴は、ハイカットのオールレザーだから、見た目では分かりませんよぉ(笑)
でも靴の中では、そういう感覚になっちゃったんです。
ザレた道で傾斜が急で、所々に大きな岩の段差があるというのに!
攣った事が無い部位と良く攣る部位
私は不思議と、ふくらはぎが攣った事は無いんですよ。(1~2回あったかな?)
でも、太ももの全体や足首から先は、ほぼ毎回の登山でという程ホント良く攣ります。
太ももが攣っても激痛ってだけで済むけど(笑)、足首から先が攣ると太ももの激痛を上回る痛みがあり、歩き難さもあるから怖い
んですよ。
持参した漢方薬は、すでに飲み終わり残っていませんでした(1日3回まで・・・もう3回のんじゃった^^;)
登って来る観光客に、歪んだ顔を見せたくは無いですからねぇ、ガッツリ登山装備なのに恥ずかし過ぎますから(^0^)
登山道は急な下り坂
眺めは良いんですけど、そんなの見ている余裕は無かったと言いながら、しっかり写真は撮ってるけど(笑)
それほど急では無いな、と思った場所。

距離が短いんだから、急じゃ無いと思う方がおかしいですよね (笑)
山麓駅は、まだまだ先ですよぉ
そして案の定、傾斜は強くなったのでした。

那須ロープーウェイ山麓駅
やっと駅の目の前まで来たとき、主人から「待った!!」と声がかかりました。
??と思って振り返ると、主人も太ももが攣って動けなくなっていたのです。(笑)
主人は夜中に攣ることはあっても、山で攣ったのはまだ2回くらいしか見たことが無いんです
駅では、「間もなく発車します。ご利用の方はお急ぎください!」とアナウンスをし、「次は20分後です!」って私たちに言っ
てるようでした。
でも、ごめんなさい。
早歩きさえ出来ないんですよぉ、攣ってるんだから。(^0^;)

山麓駅にあった地図
航空写真の地図があったけど、大き過ぎて全体を撮れませんでした。
この地図には、お鉢巡りの道が書かれて無くて、誰かが赤ペンで書いた線がありましたよ。
ここを歩いてなどと言いながら、ゆっくり地図を見ていましたが、そこで足を止めたのが悪かった。><。。
再び両太ももが激攣り!
時間がまだ12:30頃で早かったから、登山者は居なくて観光客ばかり。
そんな中で、痛い痛いと歩きまわる事もできず、テーブルがあるスペースに隠れて1人、痛い痛いと小声で言いつつ、足踏みを
しながら耐えていました。(笑)
駐車場に戻って
あ~あ、終わっちゃったぁ、そんな気分でした。
岩々大好きな私だから、今回の登山はホント楽しかったんだもの。
YAMAPを見ると私の歩いた時間は、5時間50分と表示されていました。
でもこれは休憩時間も含まれています。
歩いた時間は
休憩とロープーウェイの待ち時間や乗っている時間は、計算すると合計で約1時間だったけど、その中で私が座ったのは5分だけ
なんです。
攣ってしまうから、座れないのが私の登山スタイルなんです。
だから歩いた時間は、約4時間50分ってことですね。
こんなに歩いたのは、何か月ぶりだろう?そりゃ、足も攣りますよねぇ。
でも、素晴らしい眺めだったし、危険個所は1か所だけだったから、山歩きに慣れてきた人だったら、おすすめの山ですよ。^^
那須岳は夏でも、防寒着を忘れずに。あとヘルメットもね。
他の山々
私の登山記録とおすすめの山として、カテゴリーでまとめてあります
登山の参考にして頂けたら、嬉しいです。
コメント
Harupyさん、こんばんは☆
那須岳は同じ栃木県内なので何度も登っています。
茶臼岳なら、ロープウェイなんて使わなくても楽勝なんですけど、朝日岳は怖くて登れていません。やはり道は険しそうですね。
僕は夏の月山と冬前の天城山で足がつりました。日頃のトレーニング不足もあったせいだと思うのですが、水分とか、体質?にもよるのでしょうか。
つってしまった時は、焦らずに休憩しましたよ。
こんにちは。
お近くなんですね。
良いですねぇ。
茶臼岳だけなら、そうですねロープーウェイは必要ないかもですね。^^
朝日岳は、危険個所はトラバースする100mくらいの所だけでしたよ。
ただ、岩の上を歩くなど、筋力は必用だと思いました。
未だに筋肉痛が残っています。^^;
茶臼岳へ行かないで、朝日岳だけなら体力的にも行かれると思います。
足が攣る最大の原因は、やっぱり筋力不足だと感じます。
それから暑くなる季節には、適切な水分補給ですね。
今回の私は、どちらも不足していたようです。(汗)
私は、攣った時に足を止めると硬直しちゃって動けなくなるんです。
整形外科の先生に相談したら、少しでも足を動かしていた方が
痙攣は早く治まると言われて、それ以来は足を止めないようにしています。^^