登山初心者向け!上高地から涸沢へのハイキング完全ガイド!

涸沢へ
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初心者でも安心して楽しめる、上高地から涸沢へのコースを詳しくご紹介します。

穂高連峰は、初心者さんが登るには難しい山。

でも、その膝元である涸沢までなら、初心者さんでも行くことが出来ます。

涸沢へ入ると、目の前に広がる雄大な穂高連峰に圧倒されます。

夏は高山植物、秋には素晴らしい紅葉を楽しめる涸沢へ、ガイドします。

 

 

涸沢の魅力:初心者でも楽しめる

穂高連峰のパノラマビュー

その雄大な姿から『北アルプスの尾根』とも呼ばれる、穂高連峰。

そして、涸沢から見上げるその姿は、まさに絶景!としか言えません。

涸沢ヒュッテ。HPからお借りした画像です。

下の写真は、奥穂高山荘へ向かう途中で、涸沢を見下ろしました。

中央下にある残雪の下に、涸沢ヒュッテがあるのですが、分かりますか?^^;

   涸沢カール

高山植物の宝庫

夏には、高山植物が咲き乱れ、お花畑のように美しいです。

全部はご紹介出来ないので、ほんの1部だけお見せしますね。

  アオノツガザクラ
  イワツメグサ
  ソバナ
 ハクサンオミナエシ

初心者でも安心のコース

上高地から涸沢までのコースは、比較的緩やかな勾配で整備されています。

そのため、初心者でも安心して歩く事ができるのです。

2つの山小屋

涸沢には、涸沢ヒュッテと涸沢小屋の2つの山小屋があります。

離れてはいますが、向かい合うように立つ山小屋は、涸沢から両方とも見える所に建っています。

涸沢小屋の案内

客室は10部屋で、定員は80名ほどです。

宿泊は相部屋が基本で、2段ベット(細長く繋がっている)と大広間があります。

これは、どこの山小屋でもほぼ同じ仕様になっていますよ。

大広間には、上半身部分だけ仕切りがあって、寝てる時に隣の人とぶつからない仕様です。

個室は6部屋あって、6畳5室と8畳1室です。

トイレはバイオ式なので、嫌な臭いも少ないです。

売店もあって、お土産や食べ物の販売も行っています。

テント場は、涸沢ヒュッテと共同で、とても広い場所です。

ただし、人気の地なので紅葉や花の時期・連休などは混雑必須です。^^;

涸沢ヒュッテの案内

営業は、11月3日で終了になります。

宿泊は、完全予約制なので早めに予約しましょう。

ホームページにも、室内の詳しい説明などは掲載されていないので分かりません(汗)

でも、Facebookページを持っているので、そちらを見ると普段の様子が分かります。

名物はおでん

ヒュッテも小屋も、『おでん』が有名です。

涸沢に行ったら、是非おでんを食べてください、美味しいですよ。^^

ただし、早く行かないと売り切れてしまいます。

私も初日は、売り切れで食べられませんでした。

  涸沢名物のおでん

上高地から涸沢までのルート

コースタイム

休憩をむくまず、上高地から涸沢までは約6時間です。

泊まりか日帰りかで、ザックの重さが変わります。

私は、テント泊2泊の予定で奥穂高岳へ登るので、ヘルメットも持って行きました。

なので、ザックの重さは13kgを超えていたし、調子も上がらず7時間半もかかりました。

ここで言う、約6時間というのは、上高地➡涸沢までのタイムです。

上高地へのアクセス

自家用車は、沢渡までしか入れません。

なので、そこから上高地へのシャトルバスに乗らなければなりません。

多くの方は、沢渡までも長距離移動をされると思います。

それだけでも、体はかなり疲労するので、沢渡へは遅くても23時前には着きたいところです。

車中泊か周辺の宿へ1泊して、体をしっかり休めて睡眠時間も十分に確保しましょう。

疲れと睡眠不足での登山は、地獄を見るくらいに辛いものになるからです。

コース上の休憩ポイント

明神

上高地を出発して、約50分で『明神』に着きます。

  第一休憩ポイント 明神

トイレも売店もあるので、一休みすると良いでしょう。

ここまでは、平坦な道なので疲れていないと思います。

それでも、涸沢までは遠いので、休憩できるポイントでは少しでも休むことをおすすめします。

徳沢

ここは、テント場もありしっかりした食堂もある、大きな休憩ポイントです。

ここで有名なのは、ソフトクリームです。

徳沢に寄ってソフトクリームを食べたことが無い、と言う人の方が少ないと言うくらい人気です。

糖分はエネルギーになりますし、疲れを癒してくれるので、おすすめですよ。

そして、徳沢園に宿泊することも出来ます。

まるでホテルのような部屋があったり、カーテンや壁で仕切られた相部屋があります。

ここまでは、観光客のかたも来るからでしょうか?

共有ですが、お風呂もありますよ。

   広い徳澤

横尾

ここは、涸沢方面と槍ヶ岳方面へとの分岐点です。

横尾は、とても広い場所で、横尾山荘で宿泊することもテント泊することも出来ます。

お風呂もあるので、ゆったり疲れを癒せます。(宿泊者のみ利用可)

ここまで来ると、周りは大きなザックを持った登山者ばかり。

気持ちが引き締まります。

私が槍ヶ岳へ行った時は、まだ登山経験が浅かったんですよね。

だから、横尾からこの橋を渡って行く登山者は、上級者で輝いていてカッコ良く見えたものです。

そこを、今自分達が渡ろうとしている。

その時の感動と緊張は、はんぱ無かったのを今でも覚えています。

  横尾大橋を渡って涸沢へ

しっかりした休憩ポイントがあるのは、横尾が最後です。

それは、この大橋を渡ると、本格的な登山道になるからです。

この先にも休憩ポイントは、何か所かありますが、トイレや水場はありません。

出発前に、水分の確認やトイレを済ませておきましょう。

 

涸沢へ向かっての登山

横尾までのハイキング気分は終わり、この先はしっかり登山になります。

でも、道標があちこちに付いているし、登山者も多いので不安になる必要はありませんよ。

道迷いなど無く、安心して歩けると思います。

それでも、地図は必ず持って行ってくださいね。

岩小屋跡からキツくなる

最初は、笹ロードで平坦な道ですが、『岩小屋跡』から先は、登山道に大きな岩が出てきます。

歩きにくくなるので、足元に注意して歩きましょう。

  緩やかな笹ロード
 岩小屋跡。ここからは傾斜がきつくなる

樹林帯を飛び出すと河原と本谷橋

河原には、本谷橋が架かっています。

本谷橋に着くと、横尾から上高地までの、約半分の工程を歩いたことになります。

ここは、広い河原なので降りて休憩している人も多かったですよ。

 本谷橋は、だいたい中間点。
     広い河原で、休憩ポイント

この河原を渡ると、傾斜はさらにきつくなりました。

私のザックを見て頂くと分かるように、2泊3日ともなるとかなり大きくなります。

ザックの重さの分だけ、疲れやすくなります。

だから、それほどきつい道で無くても、私はきつく感じてしまったのかも知れません。

いよいよ穂高連峰が見えて来た

生い茂った中を進むと再び開けた所に出て、目の前には穂高連峰が私を出迎えてくれました。

  私は足元ばかり見ていて、前方の景色が見えて無かった
 穂高連峰が青空に浮かび上がる

綺麗に穂高連峰が見えたのは、この時だけでした。

再び、雲に覆われて姿は見えなくなってしまったのです。

この辺りまで来ると、疲労はピークになり、自分の気持ちとの戦いになってしまいました。

だから、後ろから歩いてくる主人を気遣う余裕を無くていたのです。

主人の疲労もピークに

前乗りして駐車場で車中泊をした私達ですが、車は軽自動車なのでグッスリ眠れず寝不足。

しかも、主人はかなりの距離を運転した後でした。

なので、上高地を出発した時から、「どうも調子が悪い」と言っていました。

普段の登山なら、2時間に1回5分位の休憩しかとらないのが、私達の登山スタイルです。

でも、この日は明神、徳沢・横尾と、全てでゆっくり休憩を取っていました。

そのつど、引き返すことも考えて、話し合っていました。

そんな状態だったので、本谷橋を渡ってからの登りでヘトヘトになってしまったのです。

数歩進んでは止まり、私が色々訪ねても、ろくに返事が無い状態になってしまいました。

 

ついに涸沢へ来たよ!

主人も時間の事は気にしていたので、途中でしっかり休んだ後はいつものように歩き始めました。

そして、ついに『涸沢』の文字が見えたのです!

  涸沢に入った!
 やっと到着!!嬉しかった

小さな1歩でも、前に進めば目的地に着けるのです!

辛かったけど、涸沢まで来ることが出来ました!

嬉しさに浸りたい気持ちもありましたが、直ぐに受付をしてテント場へ向かいました。

涸沢のテント場

テント場は、噂に聞いてたとおり『岩の上』でした。^^

すると主人が「ペグと張り綱を忘れた!!」って。(-0-;)

岩々の上だからマットを敷いても痛かった。

幸いにも、風が強く当たるテント場では無かったし、重いザックが押さえになったので良かったです

でも、このペグと張り綱の忘れ物は、普通のテント場だったら絶対に無理ですよ。

最悪、ペグが無くても岩さえあれば、張り綱を押さえることはできますけどね。

なので、出発前には2度3度と持ち物チェックをしてくださいね。

テント場からの眺め

    涸沢テント場

上の写真は、登って来た方角です。

「あの山の向こうから歩いて来たんだよね」と感無量になりました。

そして、下の写真は涸沢ヒュッテの方です。

  涸沢ヒュッテ

そしてそして! 穂高連峰ですが・・・生憎、雲に隠れていました。

更に下の写真は、涸沢小屋です。

穂高連峰は雲の中
   涸沢小屋

広いテント場

こ~んなに広いテント場は、初めてです。

でも涸沢ヒュッテと小屋の共用だし、人気のスポットなので、時期によっては隙間が無くなる程です

涸沢ヒュッテから見ると、こんな感じですが、この日は『ガラガラ』だそうですよ。^^;

翌朝は快晴

前日は、上高地からずっと雨が降ったり止んだりでした。

でも夜が明けると、素晴らしい天気でした。

山肌に朝日が当たって赤く染まる、『モルゲンロート』を見たくて、暗いうちから狙ていました。

しかし! 見る事は出来ませんでした。><。。

朝日が当たる穂高連峰
YAMAPさんからの借り物ですが、真っ赤に染まるモルゲンロートは、素晴らしいです!

忘れ物なく快適な登山を

初心者でも行かれる涸沢ですが、登山道を歩く事に変わりはありません。

なので、低山でも高山でも、登山をする時に必要な装備は、忘れずに揃えてください。

涸沢の標高は、約2300mで、高山の部類に入ります。

だから、気温や天気も麓とはだいぶ違います。

そこで、服装や装備、持ち物などに付いて解説します。

服装

私が涸沢へ行ったのは、8月15日でした。

涸沢まで歩いている時は、半袖1枚で汗をかいていた位に暑かったです。

でも、日が傾いて来ると気温が下がり、ライトダウンやフリースを着るほど寒くなりました。

なので、行動中は吸汗速乾機能の高いTシャツなどを着て、朝晩の寒さに備えて保温着も持ちましょう

もちろん、レインウェアの上下も忘れ無いようにしてくださいね。

装備

靴に関しては、出来ればハイカットが望ましいのですが、ミドルカットでも良いと思います。

と言うのは、登山道が大きな岩々のある所で、足首を安定させて歩くのが難しいからです。

そのブレを、ハイカット靴なら最小限に抑えられるという訳なんです。

そして、靴底はあまり柔らかく無い方が、疲れにくいと思います。

両手でつま先と踵を持って、簡単にふにゃって曲がらない物がおすすめです。

ザックの容量ですが、防寒着を入れる事、長い時間歩くので飲み物は2ℓ、そして食べ物。

これらが全て収まる容量は、最低でも30ℓが必要と考えます。

もし、涸沢や途中の小屋でお土産を買うなら、その分を考慮して+α ですね。

その他

日帰りにしても1泊にしても、時間は長くなるのでモバイルバッテリーを必ず持って行きましょう。

2回充電できるくらいの、容量は有った方が良いと思います。

また、エマージェンシーキットも持ってください。

岩々の所で転んだら、怪我をすることもあるからです。

 

注意点

上高地周辺では、熊の目撃が相次いでいます。

食料品は、ジップ袋などに入れて匂いが漏れないようにしましょう。

また、食べた後のゴミもジップ袋に入れると良いですね。

そして、天気予報は上高地と涸沢の両方を、1週間くらい前からしっかり観察してください。

もし、小屋泊を計画しているのなら、時期にもよりますが1か月以上前から予約してください。

1か月前には、既に満室ということは、良く聞く話しだからです。

 

まとめ

涸沢は、約2300mのところにあります。

そこから山頂を目指さないとしても、しっかりした準備と装備が必要です。

いつも1000mくらいの低山を歩いている人は、少しずつ標高が高い山へ登って行きましょう。

それは、標高に体を慣らす目的と、体力をつけるための訓練と考えてください。

標高2000mを経験すれば、おのずと必要な物やこと等が分かって来ると思います。

アルプスの山々へデビューする練習として、涸沢までの道を楽しんでくださいね。^^

 

 

 

コメント

  1. わーこ より:

    上高地までしか行った事は無いけれど、超有名な観光地だけあって人は多かったです。
    景色は最高だったね。
    涸沢に行く予定は無かったけれど、ブログを読んで行った気になります。
    忘れ物、気を付けたいです。大事に至らず何よりでした。

    • harupy より:

      上高地、徳沢あたりまでは、観光客が多いですね。^^;

      ブログを読んで行った気になって頂けたこと
      とても嬉しいです。
      伝わって良かったです。^^

      忘れ物、体調は、しっかり整えないと『危険』伴いますからね。^^;

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